腰痛の手術とその種類について

腰痛の手術とその種類について

腰痛とは、腹筋・背筋・椎骨で構成される腰に、過度な負荷がかかることで起こる、その初期においては筋肉疲労とも言えますが、負荷がかかり続けることで、最終的に神経を圧迫するようになると、その症状によって椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎分離症やすベリ症といった様々な腰痛症を引き起こすことになります。

腰痛症の治療は、一般的に保存療法が行われますので、診断後即手術に至るということはありませんし、急性期であれば、まず痛みをおさえることが最優先されます。

ただし保存療法を続けても、神経への圧迫が改善されず、耐え難い痛みやしびれによって日常生活を正常に送ることができない場合や、排泄障害を起こしている場合は、手術を選択せざるを得なくなります。

腰痛の手術とは

ところで腰椎は脊椎の一部を担う大事な部位ですが、この脊椎は上から順に言うと、頭を支えている7つ(稀に8つ)の椎骨から成る頚椎、その下が12個の椎骨から成る胸椎、そして5つの椎骨から成る腰椎が来て、その下には腰椎と同じ5椎からできている仙椎、そしていちばん下に3~6つの椎骨で構成されている尾椎から出来ており、それぞれの椎骨はクッションの役割を果たしている椎間板によって繋がっています。
そして脊椎の脊髄腔の中を走っているのが脊髄と呼ばれる神経幹です。人間の運度を司る非常に大事な神経です。この神経を保護することが脊椎の重要な役割であり、腰椎もそのひとつということです。

腰痛は様々な要因によって、この神経幹を圧迫しているわけですから、腰痛は決して甘く見てはいけないという意味が分かるのではないでしょうか。そして、この神経への圧迫を外科的に取り除くしかないと判断された場合に行われるのが腰痛の手術ということです。

腰痛の手術は除圧術と固定術に分けられる

腰痛にはご存知の通り色々な種類がありますので、実際に手術を行う場合のアプローチは個々に異なりますが、手術の種類は、ある程度大まかに区分けでき、たとえば頚椎症の手術などとも同じ名称で区分されています。

そのひとつが除圧術というもので、これは圧迫を受けている脊髄、神経根、馬尾神経への圧力を取り除くことを目的とした手術です。腰痛の手術のなかでは除圧術がもっとも多く、方法としては、神経を圧迫している骨や軟骨を取り除くものや、椎弓を広範囲に切除する方法、また圧迫箇所が限定的な場合は広範囲な除去は行わず、部位ごとに空洞を作って圧迫を取り除くなどの方法もとられます。

もうひとつが固定術というものです。固定術は除圧だけでは再発の恐れがある場合に選択される手術ですが、骨が分離したままや(腰椎分離症の場合など)、骨が取り除かれたことによって不安定になっている箇所に、骨を移植しスクリューやプレートでつないで固定するといった方法がとられます。

固定術は移植した骨が癒合するまでに時間がかかりますので、術後の安静期が長く、リハビリにも時間がかかります。

また腰痛の手術では少ないですが、外傷によって脊椎に損傷を負った場合は、脊椎を再建する矯正術もあります。矯正術は矯正した部位を固定しなければなりませんので、固定術と組み合わせて行われるのが一般的です。

仕事へ早く復帰できる内視鏡術

腰痛の手術は除圧術でも固定術でも、体への負担が大きく、また仕事やスポーツに復帰できるまでの期間が長くかかるという面がどうしてもあります。

そうした腰痛手術の短所をカバーする手術として、最近増えているのが内視鏡術です。内視鏡を使用した腰痛の手術が適用できる症状はそれなりに限定されるのですが、患者への負担が少なく、椎間板ヘルニアの内視鏡術では、術後の翌日から事務作業に復帰出来るケースもあります。内視鏡術で行えるのは骨や軟骨を取り除いたり、椎間板をレーザー照射するといった除圧術に限られますが、速やかに痛みの軽減され、仕事を長期に休む必要もありません。内視鏡術は自由診療となるので、費用は高いのですが、諸々のメリットが大きいことから、手術を希望する方も今後増えていくのではないでしょうか。