ぎっくり腰と筋肉の関係

ぎっくり腰と筋肉の関係

腰痛に悩まされたことがない方だと、腰痛は骨に原因があるのではと考えてしまいがちですが、多くの腰痛は筋肉に過負荷がかかることが、主な発症の原因と言え、なかでもぎっくり腰は、それに関連する筋肉の数がいちばん多いという特徴があります。ですから、ぎっくり腰はもちろんなのですが、それ以外の腰痛でも、筋肉に過負荷がかからないようにすることが腰痛の予防・症状改善の基本であると考えると良いでしょう
(筋肉に過負荷が及ばないようにするには、やはり「正しい姿勢」というテーマに行き着きます)。

筋肉は他の筋肉の負荷を受け止めてカバーしている

ぎっくり腰を例にとると、腰からお尻へ、そして最終的には大腿部へとコリが連鎖してきます。一般的には、腰の筋肉に常時必要以上の負荷がかかり、この負荷を分散するために、臀部の筋肉が負荷を受け継ぐようなかたちで機能するわけですが、ここで耐え切れなくなったあたりで、ぎっくり腰を発症してしまうと言われています。スポーツ選手等、日ごろから足腰の筋肉を鍛えている方だと、臀部の筋肉がこってしまっても、次に大腿部で負荷を受け止めるようと筋肉が機能するのですが、そこが連鎖の最終地点で、鍛えている方でも腰を痛めてしまいます。

筋肉がこのように、他の筋肉の負荷を受け止めようとする働きは、筋肉が単体で動いているのではなく、複数の筋肉が連動して運動を形成していることからも想像できます。たとえ大きな負荷がかかってその筋肉が機能不全を起こした場合でも、残った筋肉でかばってくれるという代替機能が働くからこそ、私たちはそう簡単にぎっくり腰に見舞われずに済んでいるわけです。ただ、筋肉の代替機能に甘えすぎて、無理な姿勢を続けていたりすると、他の筋肉でもカバーしきれなくなり、激しい痛みに襲われることになります。

ぎっくり腰を引き起こす負荷の流れ

ぎっくり腰において、はじめに負荷がかかりコリを起こしてしまう筋肉は、側腹筋(外腹斜筋)と腹筋のインナーマッスルでもある内腹斜筋です。側腹筋は斜め方向に働く筋肉で、背骨を曲げさせたり骨盤を引き上げたりする働きをもちます。直腹筋を鍛えている人は多いですが、側腹筋を鍛えている人は少ないので、比較的早く悲鳴を上げてしまう筋肉でもあります。内腹斜筋は側腹筋のさらに内側にあり、側腹筋と斜めに交差するように走っている筋肉です。機能的には側腹筋とほぼ同じ働きをもちますので、内腹斜筋と側腹筋は一括りで捉えて良いでしょう。

側腹筋と内腹斜筋に過負荷がかかると、大殿筋・中殿筋・小殿筋といったお尻の筋肉がカバーしてくれます。ただし、よく運動をしている方やランニングをしている方でなければ、中殿筋や小殿筋はあまり発達していないはずですから、ここのガードが弱くてすぐにぎっくり腰を起こしてしまうケースが現代人では多くなります。

大殿筋・中殿筋・小殿筋の次に負荷を受け止めてカバーしてくれるのが、腸骨、大腿骨から 頚骨まで連なっている腿の筋肉、大腿四頭筋です。

なおすべてのぎっくり腰が、筋肉の機能不全によって起きているとは限らないですが、これらの筋肉が非常に衰えているというなら、腰痛に見舞われる危険性は非常に高いと考えられます。腰痛防止という点では、腰に負担のかからない正しい姿勢をとることがいちばんなのですが、専門家の指導のもとで、筋肉を強化しておくことも腰痛を遠ざける有効手段であることが分かると思います。