腰痛と精神的ストレスの関係

腰痛と精神的ストレスの関係

整形外科医の山口義臣氏と山本三希氏の研究(1979年:整形外科Mook)によると、職業別に腰痛患者数を調べたところ、いちばん腰痛患者が多かったのは無職の方で、腰痛患者が多いと思われがちな肉体労働に従事している方は専業主婦とさほど変わらないという結果になりました。

無職の方の次に腰痛が多いのは農業・造園業に従事している方、続いて職人、自由業、販売・営業職と続きます。農業・造園業以降は何となく予想通りという気がしますが、肉体労働だから腰痛になりやすいというのは一概に言えないことが分かります。

農業や造園という仕事はたしかに中腰などの微妙な前屈姿勢を長時間続けることになりますから、腰への負担は大きいように思われます。次の職人、自由業に関しては、仕事の範囲が広いので、腰痛が多く見られる原因がどこにあるのかなんとも言えませんが、無職の方がもっとも多いという結果からは、腰痛の原因に心理的・社会的ストレスが大きく絡んでいるのではないかと考えてしまうところはあります。

また農業、造園業、職人、自由業というのは、規模・形態はさまざまですが一事業者です。言い方を変えれば「自分の腕一本で食べている」方々であり、サラリーマンや公務員にはない不安と背中合わせで生きている方が多いとも言えます。もちろん事業者として成功をおさめて経済的に恵まれている方も少なくないでしょうが、そのぶん大きなプレッシャーと不安を抱えているのだとも言えます。
そう捉えると、腰痛の原因に心理的・社会的ストレスはどこかで絡んでいるのではないかと考えてしまいます。

腰痛とストレスの関連性は明確に証明されているわけではありませんが、海外の腰痛ガイドラインを見ていくと、ほとんどの腰痛が精神的ストレスによって引き起こされていると考えて良さそうだとも受け取れるものもあります。

仕事や事業で知らず知らずのうちにストレスを溜めていると自覚している方は、効果的な発散方法を見つけて、心身ともに疲れを蓄積しないように自分自身をケアしてみてはいかがでしょうか。