腰痛症の装具療法での注意点

腰痛症の装具療法での注意点

腰痛症の装具療法に関する研究で、ある調査がイタリアで行なわれました。この調査は腰椎不安定症による装具使用患者を対象に、運動療法の疼痛管理と神経運動能力の効果を検証するために行なわれたもので、装具療法のみの患者群とくらべて、週3、4回実施する装具療法と運動療法を併用した患者群の神経運動能が向上するかを12ヶ月にわたって追跡調査が行なわれました。

検証結果はある意味で明白と言えるわけですが、装具を使用した両群で腰痛症による疼痛は改善を見せ、装具と運動療法を併行していくことで神経運動能はより向上するという結果がでました。

調査自体のレベルについては議論するべき点は多いと思われますが(運動群において運動能力が勝ることは当然と考えられることなど)、この研究では装具療法を行う場合には適切な運動療法を併用することが望ましいとすることを、検証によって裏付けることが目的だったのかも知れません。

装具療法が用いられるのは、特に腰椎分離症に多いわけですが、分離症患者の多くはスポーツ活動を平素から行なっている方が多く、装具固定の期間が長くなると筋力が著しく低下することから、装具を装着期間でも適宜コルセットを外して運動するように指導している施設が多いわけです。

最近では病院で紹介される医療用コルセットではなく、市販のコルセットも多数販売されていますので、これらを使用して腰痛の痛みを緩和させながら、日常生活を送っている慢性腰痛症の方も少なくないと考えられます。

コルセット自体はもともと窮屈なものですから、調子の良い時は自ら外している方が大半でしょうが、痛みが強い方だと、常に装着して使用している方もいることでしょう。コルセットを使うことで局所的な安静状態が保てるわけで、症状によって装具を使うこと自体は決して悪くはありませんが、装着時間が長くなるほど筋力が低下することになりますし、ここでの検証でも明らかなように神経運動能も低下しますので注意がしなければなりません。

月並みですが、腰痛症状が強い方ほど、装着療法はやはり医師の管理のもとで用いるのが本筋ではないかと思われます。低下した筋力のまま日常生活動作をとると、急激に腰へ負担がかかることもありますので、装着期間が長かった方ほど、外してからのケアが必要になります。日頃から装具依存が高い方はぜひ注意していただきたいと思います。