筋・筋膜性腰痛とは

筋・筋膜性腰痛とは

腰痛には、MRI検査などで構造上の異常があらわれない腰痛もあります。一般的な腰痛というのは、どちらかと言うとこのタイプの腰痛と認識されている場合が多いかもしれません。それが筋・筋膜性腰痛とよばれるものです。

筋・筋膜性腰痛は、筋肉に過剰な力が加わることや伸びるなどで損傷を受け、これが筋肉の炎症となって腰痛となるもので、典型的なものにぎっくり腰があります。筋・筋膜性腰痛で損傷を受ける筋肉は、体幹を支えながら自在な運動可能としている脊柱起立筋です。脊柱起立筋は頚から腰に至るまで縦走している大きな筋群ですが、筋肉は他の筋肉ともつながっていますので脊柱起立筋が損傷を受けると背中から臀部や脇腹といったところも痛みがあらわれる場合があります。

筋・筋膜性腰痛になって脊柱起立筋が損傷を受けると、へそあたりの高さで、圧痛やコリが確認できますので、症状を診断する上での目安となりますが、他にも脊柱の際にある多裂筋や回旋筋、側腹部の外腹斜筋、殿部の上殿筋や中殿筋、上後腸骨棘外緑部などにも筋・筋膜性腰痛の症状が発症します。

筋・筋膜性腰痛は急性タイプのものと慢性化したものとに大別されます。急性型は先程もふれたように、いわゆるぎっくり腰が典型的なもので、筋肉の発赤や熱感なども感じるわけですが、ぎっくり腰になれば、なんと言っても激痛と腰が抜けたような脱力感のほうが先にたちますので、対処法としては安静と除痛がまず優先されます。ぎっくり腰の場合、安静を数日続けるだけでも症状は軽快に向かいますが、少なくとも病院でみてもらい、除痛のために鎮痛消炎剤などを処方してもらうと良いでしょう。

慢性型の筋・筋膜性腰痛は、概して痛みや強くありませんし、ストレッチ運動などを行うと逆に気持ちよく感じる場合があるかも知れません。ただし筋肉疲労などが蓄積されてくるとコリと鈍痛がまとわりつくようになり、徐々に不快感が抜けづらくなります。日ごろ腰に過度な負荷がかかるような仕事に従事している方は、症状を慢性化させないように注意しなければなりません。

なお筋・筋膜性腰痛が慢性化すると、血液などの循環障害があらわれるようになり、疲労・発痛物質の蓄積から、痛みと循環障害がさらに悪化していくケースがありますので、この点にも注意してください。

筋・筋膜性腰痛を慢性化させないようにするには、しっかり入浴することや温泉療法などが効果的ですが、これは筋肉を温めることで疲労回復が早まり、血液循環も活性化するからです。一度でも筋・筋膜性腰痛になった方は、腰の疲労を持ち越さないように積極的に筋肉をケアすることが推奨されます。