非癌性疼痛用 経口新薬剤 トラムセット

非癌性疼痛用 経口新薬剤 トラムセット

疼痛治療薬のトラマドール塩酸塩・アセトアミノフェン配合製剤(商品名トラムセット配合錠)が2011年7月販売開始されています。
トラムセットが適応されるのは「非オピオイド鎮痛薬で治療困難な非癌性慢性疼痛、抜歯後疼痛」で具体的には、
一般的な鎮痛薬では十分な鎮痛効果が得られない腰痛、変形性関節症、関節リウマチ、帯状疱疹後神経痛、糖尿病性神経障害性疼痛、線維筋痛症、あるいは骨切除などを伴う手術による抜歯後の痛みなどに用いられます。

服用は非癌性慢性疼痛に対しては、1日4回、1回に1錠、服用は4時間以上間隔をあけること。症状に応じて1回2錠まで増量可、ただし1日8錠を超えないこと。
抜歯後疼痛に対しては1回2錠、追加服用する場合は、4時間以上間隔をあけ、1日8錠を超えないこと。
いずれの場合も、1回2錠、1日8錠を超えないこととし、空腹時の投与を避けることとされている。

トラムセットは、1錠中に2種類の有効成分が含まれ、1つは、オピオイド鎮痛薬のトラマドール塩酸塩(37.5mg)で、一般的な鎮痛薬では効果の得られない神経痛などに効果のある成分です。麻薬系強オピオイドのモルヒネに比べると作用がおだやかで副作用も比較的少ない成分です。
もう1つは、解熱鎮痛薬アセトアミノフェン(325mg)で、古くから(1950年代後半より)安全性の高い解熱鎮痛薬として、医療用医薬品や一般市販薬にも使用されている成分です。
この2つ成分が同時に作用し、早く強い鎮痛効果が期待でき、かつ長時間効果が続きます。

非癌性慢性疼痛の治療に対して、WHO(世界保健機関)は、「3段階除痛ラダ―」を提唱し、それに準じた治療が行われていますが、アセトアミノフェンはその第一段階、トラマドールは第二段階に位置づけられている薬剤です。
アセトアミノフェンやNSAIDsには消化器、腎機能、冠動脈疾患の副作用が懸念され、特に長期的な疼痛治療では、トラマドールとアセトアミノフェンの併用を推奨する報告もあり、トラムセットに期待がかかっています。

海外では、トラムセットは2001年に米国で承認され、以降、世界70カ国以上の国と地域で使用されています。

主な副作用は、国内臨床試験で悪心(41.1%)、嘔吐(26.2%)、傾眠(25.9%)、便秘(21.2%)、浮動性めまい(18.9%)などが報告され、重大な副作用には、アナフィラキシー様症状、痙攣、依存症、重い皮膚症状、喘息発作の誘発、肝機能障害、血液成分異常などが報告されています。