腰痛の原因は筋肉のバランスと柔軟性

腰痛の原因は筋肉のバランスと柔軟性

脊椎は脊柱を形成しており、7個の頚椎、12個の胸椎、5個の腰椎、5個の仙椎、35個の尾椎から構成されています。脊椎骨の間には椎間板という軟骨があり、脊椎はこの軟骨部分で動くようになっています。脊椎のもうひとつの役割には、脊髄の保護があり、この脊髄を取り囲むようにして並び連なっています。腰部位が傷むのは、起立して生活する人間の宿命のようなものであり、腰周辺にかかる負担は特に大きく、腰椎下部に集中する力学的負担を考えると当然のようにも思えます。このような日常的な力学的負荷によって、腰椎の椎間板ヘルニアや辷り症が発症しやすく、加齢を要因とする変形性脊椎症も腰椎の下部部位に好発します。これらの疾病は、腰痛の代表的な原因に挙げることができます。その他、整形外科領域の疾病として、腰椎を取り巻く筋肉に障害が加わって起こる腰部の筋肉痛や、姿勢異常の症状が出現する脊柱変形症などがあります。また、整形外科領域外の原因で腰痛症状を呈することもあります。

例えば、腎盂腎炎、尿路結石、胆嚢疾患、子宮筋腫、骨盤内臓器の悪性腫瘍など、腰痛を伴う疾病は数多くあります。しかし、これらの疾病は診察などで発見されることが多く、当然、腰痛症状を訴えて診察して貰ったところ、潜んでいた病気が確認されたということもありますので、腰痛程度と高を括るのは危険です。そのように、腰痛はさまざまな要因によって引き起こされます。ですが、明確な診断名が出ないことの方が、極めて多いことも事実です。

複数の要因が互いに作用し腰痛を引き起こしている場合や、身体的要因ばかりではなく、患者さんの心理的・社会的・経済的因子を含めて、多種多様の原因が、複雑に相互作用して引き起こされる場合も多くあります。治療には保存療法が主になりますが、時は手術療法が必要なケースもあります。どちらにしても、心理療法を併用することで治療の効果が高まることについては、学会でも認知されてきています。保存療法は、薬物療法と理学療法を組み合わせて行われることもありますが、神経ブロック療法を用いることもあります。そのほか、コルセットなどの体幹装具を用いたり、腰痛体操などを組み込むこともあるようです。

しかし、腰痛体操について、アスカ鍼灸治療院の福辻鋭記先生は、腰痛体操をそのまま取り入れて実行することは、極めて危険な行為であると主張し、とにかく、腰椎周辺の筋肉を柔らかくすることがポイントだと言っています。筋肉のバランスと柔軟性があれば、椎間板ヘルニアや辷り症でも痛くなくなる、それは何故か?・・・柔らかいバランスの整った筋肉が、障害が出現している部位の骨格の変化を吸収し、痛みを取り除くことになるそうです。

確かに、CTMRI画像診断で、病状が同程度の椎間板ヘルニアや辷り症でも、激痛を訴えたえるケースもあれば、全く痛みのないケースもあることは知られています。つまり、椎間板ヘルニアや辷り症を治すという視点から、痛みの解消ということに視点を移した場合、問題は、筋肉のバランスと柔軟性ということになる、と福辻先生は考えたのでしょう。