腰痛の原因の一つ椎間板ヘルニアになる遺伝子特定

腰痛の原因の一つ椎間板ヘルニアになる遺伝子特定

遺伝子工学の発達で、独立行政法人理化学研究所と慶大、富山大、京都府立医大、熊本大の研究チームが発見してから3年半ほどが経過しています。

椎間板の変性によって生じる腰痛や椎間板ヘルニアそのものの治療法、治療薬の開発につながると期待されていますが、他の病気でも遺伝子レベルまでの研究や発見は多く発表されますがその後の研究は壁が高いようです。

椎間板ヘルニアは、加齢に伴う椎間板の老化現象によって、腰痛や坐骨神経痛に加え、下肢の筋力低下や痺れなどを引き起こします。
推定によると、日本では少なくとも100万人以上の患者がいると言われています。
厚生労働省のデータでは、椎間板ヘルニアによる「入院患者」は7.4%にものぼっています。

すでに、椎間板ヘルニアになるには複数の遺伝子が関与していることが分かっていましたが、原因は依然として不明な状態でしたが、理研などの研究チームによって、椎間板ヘルニアの遺伝的因子を特定されました。

椎間板ヘルニアの患者847人とそうではない被験者896人を対象に、大規模な遺伝子レベルの相関解析が行われた結果、「トロンボスポンジン2(THBS2)」という遺伝子が、椎間板ヘルニアと最も強く関連していることが判明しました。
そして、病気になりやすいタイプのTHBS2を持つ人は、持たない人に比べて約1.4倍も椎間板ヘルニアになりやすいことが分かったということです。

尚、椎間板ヘルニアの原因遺伝子は上述した通り複数あって、THBS2以外にも多く存在しています。
今回の研究では、どれらがどのようなメカニズムで関係しているのかも研究されて、このTHBS2と一緒に働いて発症させる遺伝子も突き止められました。

THBS2は「マトリックスメタロプロテアーゼ(MMP)」と結合すると、その活性を抑制するとされているため、結合が弱まるとMMPの活性が強まって椎間板が変性し、椎間板ヘルニアになりやすいと想定して、MMPについても相関解析を行ったところ、「MMP9」という遺伝子が椎間板ヘルニアと強く関連していることが明らかになっています。
さらに、病気になりやすいタイプのTHBS2とMMP9を併せ持つ人は、持たない人より約3倍も椎間板ヘルニアになりやすいことが判明しています。

ここまでわかってくると、椎間板ヘルニアが必ずしも腰痛や坐骨神経痛の原因ではないと言え、椎間板ヘルニアの発症そのものが無くなることが期待できそうです。