慢性疼痛の理解

慢性疼痛の理解

腰痛では、一過性の痛みではなく長く続く慢性の疼痛に悩むことがあります。
慢性疼痛とは、医師よって、いろいろな定義がなされることがありますが、一般的な医学的定義では疼痛が6か月間以上持続する場合に慢性疼痛と呼ばれます。

この慢性疼痛が起きるメカニズムには大きくは2つの種類があり、1つは「侵害受容性疼痛」、もう1つは「神経因性疼痛」が慢性化して起こります。
侵害受容性疼痛は、切り傷、火傷、捻挫などをして身体が傷ついたときに感じる疼痛で、患部が炎症を起こし末梢神経を刺激したりすると発痛物質が生成され、この発痛物質によって脳に痛みを伝える信号が送信され、この信号を脳が受けて疼痛が認識されます。

通常、侵害受容性疼痛は治療行為によって、疼痛をコントロールでき、身体の傷が治っていくにつれて疼痛は軽減していきます。
しかし、腰痛やがんの痛み、関節痛は完治しにくい病気であるため、長期間疼痛が持続するので慢性疼痛となります。
神経因性疼痛は、神経系が何らかの異常を起こしたり、手術などによる神経の外傷によって生じます。
神経因性疼痛は、侵害受容性疼痛に比べ、標準的な疼痛治療を行っても疼痛を軽減させることが難しい痛みです。そのため、長期間痛みが継続することになり慢性疼痛となります。

かつては、慢性疼痛に対する治療方法はほとんどありませんでしたが、医療技術の進歩によって、治療方法が増え、ペインマネジメントと呼ばれる新しい医学専門領域が現在では確立しています。

ペインマネジメントを行う医師は、一般的にはペインクリニック専門医と呼ばれますが、このペインマネジメント医によって、慢性疼痛患者に対する診断、治療、およびリハビリテーションが進化・改良されています。

ペインマネジメント医は、必要に応じて看護士、理学療法士、精神保健専門家とともにチームとして治療を行います。
ペインマネジメント医は、慢性疼痛の症状が治癒しないことを前提に対症療法として、疼痛をコントロールすることを重点において治療行為を行います。
に焦点を置いています。

慢性疼痛は、原因や治療法がいろいろあり、疼痛が時間の経過とともに頻繁に変化すること、患者の身体的活動状況、心理状態、ストレス状態、健康状態によって疼痛が変化すること、過去に成功した治療法を同じような原因の疼痛と思われる別の患者に実施して必ずしも効果があるとは限らないことなどを認識して治療にあたっています。