【牽引療法】
専門器具を使って腰椎を引き延ばす治療法です。「持続牽引」と「間欠牽引」という手法があります。
(持続牽引)
入院時に行われる持続牽引は、5~6キロの重りをつけて、弱い力で1日数時間引っ張ります。急性期に腰痛の安静を保つ目的で行われます。
(間欠牽引)
広く一般的に行われているのが、機会を使った間欠牽引です。外来で1回につき10~20分ほど、体重の1/2~1/3くらいの力でゆっくり引いたり緩めたりします。一種のマッサージ効果を期待するもので、急性期を過ぎた腰痛に対して行われます。
牽引したからといって、突き出たヘルニアが引っ込んだり、狭くなった椎間板腔が広がるというわけではありません。また、骨粗鬆症で骨が非常にもろくなっている人や腰椎が不安定な状態にある人は、機械で引っ張るのは危険を伴います。
昔から広く行われてきた療法ですが、腰椎の病気に対する有効性ははっきりとしません。効果が感じられない・病症が悪化する、ならば続けも意味がありませんのでやめたほうがよいでしょう。