腰痛の原因となる椎間捻挫とはどのようなものでしょうか。
一口でいえば、背骨に突発的に大きな負荷をかけることが原因で起こる、「背骨の捻挫」という事になります。
「椎間」とは背骨を構成する骨である「椎骨」と「椎骨」の間の関節部位を示します。
つまり、椎間捻挫とは「背骨の関節」に起こる捻挫なのです。
足首の捻挫は、足首の関節が瞬間的にずれてしまう事によって引き起こされるのですが、それと同じ事が背骨で起こっていると考えると分かりやすいかもしれません。
関節には靭帯が存在し、関節がずれた場合に抜けないように関節を包み込んでいます。
関節を構成している骨がずれてしまった時に、その靭帯が伸びてしまいます。
捻挫による痛みは関節そのものよりも、瞬間的に伸びきってしまった靭帯部分に起こる炎症反応の場合が多いのです。
首から腰に掛けて存在する「脊椎」は、首部分の「頚椎」、胸部「胸椎」、腰部の「腰椎」、「仙骨」「尾骨」と続きます。
その中の「腰椎」は5つの椎骨で形成されています。
椎間捻挫で、特に腰部の「腰椎」で生じたものを「腰椎捻挫」といいます。
腰椎捻挫は腰椎の椎骨の間にある「椎間板」と、椎骨を繋げている「椎間関節」が、変な方向に無理な力が入ることによって捻挫を起こします。
ぎっくり腰の原因もこの椎間捻挫であることがとても多く、しばしば、ぎっくり腰=椎間捻挫とされることもあるのですが、ぎっくり腰は「腰」に限定された症状で、椎間捻挫はあくまで「椎骨」に起こった捻挫となります。
不自然な姿勢やバランスの悪い状態で重いものを持ち上げた時、腰をひねった瞬間などに腰に激痛が走ります。
また、ゴルフやテニス、野球など、腰をひねるようなスポーツの最中にも多く見られますし、追突事故の際に頚椎捻挫(むち打ち)と一緒に腰椎捻挫が起きることもあります。
まれに、咳やくしゃみをした際に生じることもあります。
腰椎捻挫が起きると、背筋が緊張して腰を伸ばせなくなり、症状が重い場合には、前かがみの姿勢のまま動けなくなります。