腰痛診療のガイドライン「イエローフラッグ」

腰痛診療のガイドライン「イエローフラッグ」

重篤な病気が原因となっているわけでなく、保存療法などで治療をしても腰痛が長引いている場合は、心理社会的な要因があるとされ、「イエローフラッグ」 をチェックするように促しています。

「イエローフラッグ」は、腰痛の発症に関わり、腰痛を慢性化させ、再発率を高める危険因子である「心の部分・社会の部分」で、実は、これこそが極めて重要なポイントとなることが多いのです。

イエローフラッグについては、ニュージーランドの診療ガイドラインがもっとも詳しいとされています。

「イエローフラッグ」には色々な表現がありますが、ごく一部を紹介しますと・・・

「 感情の問題」
 痛みへの恐怖心や強い不安感・いつも痛みのことばかり考えてしまう。
抑うつ状態(ことに長期間にわたる気分の落ち込み)があり、楽しいと思えることがない。

「 診断と治療の問題」
絶望感と恐怖心をいだかせる(車椅子生活を連想させるような)診断名を告げられたり、腰痛に関して異なる診断や説明を受けて混乱した経験がある。

「腰痛に対する不適切な態度と信念」
 実際は重病ではないのに、そう思い込んでいるケースや強い不安がある。積極的に社会復帰しようとは思えない。

「不適切な行動」
治療者や医療機器に対する依存心が強く、長期の安静・治療を必要以上に続け回復を遅らせる。

「補償問題」
職場復帰に対する経済的動機が乏しい。

「家族の問題」
配偶者やパートナーに対して、良い事も悪い事も含めて心が通じていない。

「仕事の問題」
頻繁に転職を繰り返す、ストレスの多い仕事、不満のある仕事、同僚や上司との関係がうまくいかない、やりがいのない仕事などをしていた。

などのような項目があり、繰り返しになりますが、これらはほんの一部です。

おそらく、腰痛の期間が長い人や症状が強い人ほど該当項目が多いはずです。
患者さんは勇気を出して行動に移し、一つでも二つでもいいからイエローフラッグの項目を解決し、無くしていくことに力を出してください。

それが慢性腰痛の治療にもなり、再発の予防にもなることは間違いないのです。
とにかく、腰痛の再発を心配しすぎない、ストレスをためないことなどが大切なのです。