消炎鎮痛剤の危険性

消炎鎮痛剤の危険性

腰痛で診察を受けた場合、明確な原因が見つかればそれに合わせた治療を行いますが、明確な原因が見つからなかった場合には、湿布やその他の消炎鎮痛剤(痛み止めの一種)が処方されるのが一般的です。しかし、安易な消炎鎮痛剤の使用が腰痛を悪化させてしまうことが良くあります。

まず、消炎鎮痛剤の目的として痛みを和らげることがありますが、これは痛みを和らげるだけであって、決して腰痛そのものの根本的な治療ではありません。それでは、消炎鎮痛剤がどうやって痛みを和らげているのかというと、血管を収縮させて炎症物質の流れを抑制しているのです。炎症物質が一度に大量に流れなければ、大きな痛みは感じなくなるということです。

ここで、血管を収縮させるということが問題になります。このとき流れが抑制させるのは炎症物質だけではありません。疲労を回復してくれる成分や、壊れた組織を修復してくれる成分の流れも抑制されてしまいます。つまり、消炎鎮痛剤は痛みを抑えてくれる代わりに、治りを遅くしてしまうのです。問題はこれだけではありません。消炎鎮痛剤の効果は、もちろん主には患部に局所的に効きますが、どうしても体内に吸収された成分は全身を巡りますので、全身の血管がわずかですが収縮してしまうということになります。血管の収縮は交感神経の興奮と密接に関係があるのですが、消炎鎮痛剤の効果で交感神経が興奮してしまうということになります。もし、消炎鎮痛剤を長期間使い続けてしまうと、交感神経も長期間興奮し続けることになります。交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、さまざまな体調不良の原因となってしまいます。急性の腰痛に対して、一時的に消炎鎮痛剤を使うのは問題ありませんが、慢性的な腰痛に対して消炎鎮痛剤を使い続けるというのは避けるようにしましょう。