女性特有の腰痛

女性特有の腰痛

女性には女性特有の理由で腰痛になる事があります。

『月経前緊張症』と呼ばれ、生理が始まる数日前から体調が悪くなる状態で、人によって程度の差はありますが、頭痛、下腹部膨満、吐き気、めまい、倦怠感、情緒不安定、腰痛などのような症状が出ます。
生理が始まると症状が軽くなったり、症状が全くなくなったりします。

【黄体ホルモン】

黄体ホルモンは子宮を収縮させるプロンスタグランジンという物質を分泌させます。
このプロンスタグランジンが分泌される量が多くなると、下腹部に痛みを感じたり、腰痛を引き起こしてしまいます。

【自律神経・ストレス】

心と自律神経は密接な関係にあり、ストレスなどで自律神経のバランスが崩れると、ホルモンの分泌にも異常が出ます。
自立神経を安定させるためには、日頃からストレスを上手に発散し、自律神経を安定させる必要があります。

生理前の腰痛をはじめとする様々な症状に悩む女性は、繊細な神経の持ち主が多い傾向にあります。
症状を軽くするためには、心の状態の安定を心がけ、ストレスを溜め込まないことが大切です。

【子宮や卵巣】

生理の前に腰痛をはじめ、様々な症状が出て辛い思いをする場合、子宮や卵巣の異常によって引き起こされている場合がありますので、一度婦人科を受診してみた方がいいでしょう。

また、「月経困難症」の場合には、生理時に治療が必要なほどの激しい腰痛や下腹部の痛み、不快感などがありますが、生理がはじまって数日経過したり、生理が終わるとこれらの症状もなくなります。

【思春期】

子宮や骨盤などに何も原因が見当たらないのに、腰痛をはじめとする症状がひどい場合があり、思春期の女性に多く見られます。
これは年齢を重ねると共に改善されていきます。

【器質性】

腰痛などの痛みの原因が、子宮や骨盤、内臓などに問題があって起こり、更には子宮筋腫や子宮内膜症、子宮後屈などを引き起こし、痛みをひどくしている場合があります。

これは思春期の場合とは違い、年齢を重ねると共に症状がひどくなっていきます。
早期に婦人科での治療が必要になります。

以上のように、生理時の腰痛には、様々な要因があり、中には治療が必要なものもあります。
生理のせいだから・・と我慢して放置すると、どんどん悪化してしまうものもあります。子宮の病気が原因の場合早めに治療しなければ、若い女性は将来不妊で悩むことにもなりかねません。

腰痛だけにとどまらず、年々症状がひどくなったり不正出血などがある場合には、早急に婦人科を受診した方がいいでしょう。