腰痛を引き起こす要因は実にいろいろな事が考えられます。
治療法も原因によって変わってきますから、原因をきっちりと把握しておく必要があります。
【筋肉疲労】
筋肉の疲労が原因で起きる腰痛は、一昔前までは最も多かった原因です。
特定の筋肉を酷使する事から、限定的な筋肉の疲労が激しく、他の筋肉との連携が困難になり、結果的には機能不全に陥るからです。
筋肉疲労の度合いが高過ぎるために、回復が追い付いていかず腰痛となって現れてきます。このタイプの腰痛はスポーツ選手に多く、多くは慢性化の道を辿っていきます。
スポーツ選手の皆さんで、常に腰に違和感を感じている方は要注意で、筋肉疲労はその都度解消していく努力も必要です。
【歪んだ姿勢】
このパターンは現代社会において特に増えてきているタイプです。
現代は「学校で座りっぱなし」「会社で座りっぱなし」「車で座りっぱなし」など「座りっぱなし」が多くなってしまう生活環境にあります。
また、携帯電話のゲームやテレビゲームなどの使用をすることから「固定的」な姿勢で長時間過ごすケースも多く、こうした積み重ねが徐々に身体を歪めていきます。
このタイプの場合は、筋肉の疲弊が原因ではなく、筋肉を使わなくなることから筋力が弱くなってしまう為に起こる腰痛です。筋肉自体には、さほど疲労の蓄積はありません。
とはいえ、特定部位の筋肉はやっぱり疲労が残っていることも多いです。
このタイプの腰痛を克服するには、やはり「運動不足の解消」につきます。
長時間にわたって同じ姿勢を強いられる場合でも、僅かな時間でもいいので簡単な運動をする時間をとる努力をしましょう。
背伸びをしたりちょっとしたストレッチでも構いません。
また、ラジオ体操はとても優れた腰痛予防の運動になります。
【ストレス】
現代社会において、複雑な人間関係を強いられる社会に身を置くことから増加傾向にある腰痛です。
この場合、特に問題になるのは「自律神経」の不具合が原因という、なかなか気付かない筋肉の過緊張です。
自律神経の緊張が解けない為、夜も安眠できないことから、筋肉も常に微妙な緊張状態が続き、全く休むことができなくなります。
その結果、過緊張によって凝り固まった筋肉が腰痛を引き起こすことになります。
このタイプの腰痛を克服するには、やはり精神状態の安定が必須です。
心の中にどんよりと溜まってしまっているものをしっかりと吐き出し、自律神経の緊張を解きほぐす必要があります。
大きく深呼吸をする、定期的に外の空気を吸う、花を見る、空を仰ぐなど、ほんの少しの気分転換だけでも全然違ってきますので、試してみて下さい。
このストレスが原因で腰痛に悩まれている場合は、必ず一人で抱え込むことのないようにして下さい。
誰かに話を聞いてもらうというだけでも、大きな助けになることが少なくありません。
慌てず、焦らず、確実に向き合うようにしましょう、必ず克服する事はできます。
勿論、腰痛の原因には椎間板ヘルニア、腰椎すべり症、脊柱管狭窄症などの腰椎に関する病気や、腫瘍などの重篤な病気が原因となっている場合もありますので、些細な腰痛でも、続くようであれば専門医の診察が必要です。