腰痛は、「前屈障害型」と「後屈障害型」という大別の仕方もあります。
前傾姿勢での時に痛みが出るか、体を反らせると痛みが出るか、 という分け方ですが、「前屈障害型」が多いといわれています。
ここでは敢えて「後屈障害型」をとり上げてみました。
【後屈障害型腰痛とは】
後屈障害型腰痛とは、腰を後に反らせてはいけない、また、後ろに反らすことができない、あるいは反らすと痛みが増すという腰痛です。
例えば、加齢に伴う脊椎の変性が原因で起こる「椎間関節障害」や「変形性脊椎症」・「腰部脊柱管狭窄症」、またスポーツなどの激しい運動が原因で起こる「脊椎分離症・脊椎すべり症」などがあります。
【後屈障害型腰痛の症状・特徴】
・痛みがひどく腰を後ろに反らすことができない
・腰を後ろに反らすと痛みが増幅する
・腰や下肢にしびれがある
・長時間立っていたり、歩いたりしたときに痛む
・患者は中高年から老年者が多い
症状が悪化すると、下肢の痛みやしびれなどの歩行障害(間欠跛行)や排泄障害などの神経症状を合併することがあります。
【原因】
多くの場合で、加齢に伴う脊椎や靭帯の変性、脊椎の疾患などが原因となっています。
また、若い方でも何かの動作で急激に体を反らした時や、テニスのスマッシュ、バレーボールのスパイク、助走をつけて飛び出す運動など、勢いをつけて体を反らした時に起こりやすくなります。
その他、日常的に姿勢が悪く、腰を少し反らせたような、お腹を前に突き出した姿勢になっていると、骨盤が前に傾きすぎる状態になるため、その骨盤の歪みが原因となる事もあります。
【治療法】
痛みが強いときは消炎鎮痛剤の服用し、痛みがおさまってきたら、牽引などの理学療法を行います。
その他にもコルセットの装着や腰痛体操なども行います。
「腰部脊柱管狭窄症」では神経症状が出現すると、手術が必要となる場合が多く、高齢者で身体の後屈で痛みがある場合には「腰部脊柱管狭窄症」を疑い、早期に治療を開始して下さい。