腰椎分離症・すべり症について

腰椎分離症・すべり症について

スポーツ選手が疲労骨折をしたというニュースを耳にしたことはあるかと思います。疲労骨折というのは、一回の力で起こるのではなく、弱い力が繰り返し骨の一部にかかることにより起こる骨折のことをいいます。針金を同じところで繰り返し曲げていると、自然に折れる金属疲労と同じ現象です。陸上選手が足の疲労骨折を起こすことはよく知られていますが、腰椎も疲労骨折を起こしやすい骨です。

バッティング、投球、ボールを蹴るなどの動作をする球技には腰をねじる運動が必ずあります。腰をねじるときには腰椎の後ろの関節突起間部というところに力が集中し、これを繰り返す部位に疲労骨折が起こるのです。

疲労骨折は運動を休んでいれば自然に治るものですが、痛みを我慢しながら運動を続けると偽関節という状態になります。本来骨であるべきところが軟骨や繊維組織に置きかわった状態で、腰椎における、そのような状態を「腰椎分離症」といいます。球技が好きなスポーツ少年やプロスポーツ選手には、珍しいものではありません。

腰椎分離症は、腹筋や背筋がしっかりしているときには起こりませんが、運動不足などにより太りはじめる中年以降になると、腰椎同士の間で徐々にずれが起こり、がんこな腰痛や足に響く神経痛の原因となることがあります。このようなずれの起こった状態を分離すべり症といいます。

軽いうちは腹筋・背筋の強化やコルセットで十分対応できますが、脊椎固定術という手術が必要となることもあります。

すべり症の原因となるのは腰椎分離症だけではありません。

椎間板などの老化により、隣合う椎骨同士の連結に破綻が生じたためずれが起こり、すべり症となることがあります。これを変性すべり症といいます。このような状態になると、脊柱管という背骨の中を通るスペースが、すべりを起こしたところで狭くなり、神経を圧迫するようになります。

その結果、腰から足にかけてがんこな神経痛が起こるのです。腰部脊柱管狭窄症と病態も症状も同じですが、加齢によるすべり症の場合、だんだんと強く痛む傾向があり、最終的には手術が必要になることも少なくありません。