腰部脊柱管狭窄症について

腰部脊柱管狭窄症について

腰部脊柱管狭窄症とは、その名のとおり、腰部の脊椎のなか、神経が通るスペースの脊柱管が細くなる病気です。下半身を支配する馬尾神経などが圧迫されて、痛みやしびれ、歩行障害などの症状を引き起こします。中高年に多い、頑固な足の坐骨神経痛の原因といえばわかりやすいのではないでしょうか。

安静時には痛みはありませんが、しばらく歩くと、腰から下半身に響くような痛みやしびれがおこります。このような症状を間欠跛行といいます。台所や電車の中でずっと立っていたり、背筋を伸ばして仰向けに寝たりしても腰から足に響く痛みが出ることがあります。丸まった姿勢よりも、背筋を伸ばした状態のほうが、脊柱管の幅が細くなり神経が圧迫され、血行が悪くなるからです。

痛みはお尻から太ももの後ろを通り、すねの後ろの外側に響く坐骨神経痛特有のもので、寒いときや冷えたとき、寝不足やストレスのあるときに悪化する傾向があります。

しびれは、痛みと同時に起こる場合や、しびれだけで起こることがあります。足全体がしびれ、進行すると冷感やひきつり感、灼熱感などの異常感覚を伴うことがあります。他に筋力低下、排尿・排便障害などが起こることもあります。

腰部脊柱管狭窄症は、病気というより腰椎の加齢現象でおこるものです。急激に悪化したり病状が変化することはないため、急いで治療を受けないと手遅れになるということはありません。しかし、病状は同じでも脊椎の悪性腫瘍や感染症などの場合は、治療のタイミングを逃すと重篤な状態になることがあります。中高年にみられる坐骨神経痛の大部分は腰部脊柱管狭窄症によるものですが、腰痛だけでなく下肢に響く痛みがあるときは、整形外科を受診し診断をはっきりさせたほうがいいです。

診断は問診、診察、レントゲン写真で確定します。場合によってはMRIやCTの検査が必要となることもあります。診断が確定すれば治療に入りますが、病気の原因が加齢現象なので、根本から治療することはできません。病状に応じた対症療法が中心となります。日常生活の指導のみで対応できる場合、内服薬や注射が必要な場合、各種の理学療法や神経ブロックが必要な場合、手術が必要な場合と、病状の中身と程度によりさまざまです。