腰痛を引き起こす病気【結核性脊椎炎】

腰痛を引き起こす病気【結核性脊椎炎】

腰痛を起こす病気には、脊椎に炎症をおこす病気や、腫瘍、内臓の病気などもあります。それぞれの病気のことについて、簡単に知っておくとよいでしょう。

【結核性脊椎炎(脊椎カリエス)】

結核性脊椎炎とは、結核菌が血流を介して脊椎に転移して炎症を起こす病気です。普通は肺の結核病巣から流れてきますが、過去にかかった肺結核の結核菌が潜伏していて、何かのきっかけで発症することもあります。

かつて、肺結核が多くみられた時代に「脊椎カリエス」といわれ、恐れられていた場合や病気です。その後、有効な抗結核菌の開発と栄養や衛生環境の向上によって、結核そのものが減り、結核性脊椎炎も減少しました。

ところが、最近、再び結核にかかる人が増えてきています。とくに、かつて結核にかかったことのある人が高齢となり、抵抗力が落ちたときに発症するケースが問題となっており、「結核=過去の病気」と侮れなくなっています。その他、慢性の病気をもっていたり、ステロイド剤を長期に使用して免疫力が落ちている人は要注意です。

脊椎の中では、胸椎や腰椎に発症する場合が多く、背中から腰の慢性的な痛みがみられます。たたくと痛む叩打痛もみられ、体を動かすと痛む、さらには夜間に痛みが増すという特徴があります。熱も出ることがありますが、化膿性脊髄に比べると、比較的症状は軽くなります。しかし、放置していると骨の破壊が進み、隣り合った脊椎とくっついて背中が曲がったり、病巣部付近にたまる膿が脊髄を圧迫して、麻痺を起こすこともあります。

X線検査やMRIによる画像検査に加えて、ツベルクリン反応をみたり、血液検査、喀痰の検査、さらには原因菌を特定するために、椎間板の生検(組織の一部をとって調べる)などの検査を行なって診断します。

治療は抗結核薬による治療が中心になりますが、治癒するまでに時間がかかります。慢性の腰痛や年のせいと勘違いされることも多く、発見時には重症になっている例も少なくありません。病気が進行している場合には手術を行います。