腰痛、肩こりというと「腰や肩そのものに原因がある」と思いがちですが、そうでない場合があり、身体全体の状態から判断することも必要です。
デスクワーク、車の運転、家事など、同じ筋肉に負担をかけ続けると、筋肉に必要な酸素が欠乏し、「乳酸」がたまってきます。
乳酸が発痛物質や、痛みを感じやすくするプロスタグランジン等の物質の生成に関与し、刺激が痛みの信号となり、神経を通じて脳に伝わり痛みとして感じるようになるのです。
肩と腰には、骨・筋肉・血管・神経が存在し、肩こり・腰痛と深い関係があります
腰痛と肩こりをどちらも感じる、という場合の原因で一番多いのは「姿勢の悪さ」です。
姿勢というのは簡単にいえば、背骨の並び方(アライメント)のことで、姿勢が悪い状態はアライメントが崩れている状態であるという事です。
人間が同じの姿勢を保つ筋肉は30分しかもたないそうです
例えば、椅子に座っている場合、最初は背筋を伸ばして座っていても長時間机に向かっていると、次第に姿勢が崩れ、悪い姿勢のままで机に向かうことになります。
パソコン画面に顔を近づけるために首が前に倒れたりしてきます。
不安定な姿勢では体を支えるために無理な力がかかり、身体全体のバランスが崩れてしまいます。
背骨は身体の屋台骨ですから、当然、腰にも肩にも影響を及ぼします。
腰痛の場合、腰をかばうようになり背中側にある広背筋がうまく機能しなくなります。
そのため首や腕に負担がかかり、頭が前に落ちがちになり、これが肩こりの原因になります。
また、肩こりの症状を抱えている時には身体の前面が閉じがちになって、腹筋が弱まり、脊椎・腰椎のアライメントは崩れてしまい、腰痛を起こしてしまう可能性があります。
つまり、悪い姿勢は、首や肩、腰や背中などの同じ筋肉に負担を与えることにより、肩や腰の筋肉が血行不良をおこし、肩こりと腰痛が同時に生じるという事になります。
また、悪い姿勢が原因となって、筋肉の疲労や骨格のゆがみが生じ、連鎖的に全身のバランスが狂い、別の箇所に痛みや違和感が出ることになります。
腰痛と肩こりの原因は相互に関係していることが多いので、両方同時に悩まされることにもなりますが、逆に言えば、どちらかの原因を解消することで、どちらの症状も軽減するということにもなります。
腰痛と肩こりを解消するには、姿勢を正しくする事が一番効果的です。
姿勢はクセになってしまっているものなので、急に正すのは困難だと思いますが、1日数分でも意識することで、だんだんと身についてきます。
関係した要因を取り除くには全身運動も効果的で、特にウォーキングは安全にできる全身運動としておすすめできますお勧めします。