腰痛の原因ともなるタバコ

腰痛の原因ともなるタバコ

肺がんの原因としてよく知られるタバコですが、実は、骨を弱くする原因のひとつでもあります。骨が弱くなることによって、腰椎などの関節を痛めたり、骨粗鬆症性になったりするので腰痛につながってきます。

食物に含まれるカルシウムは、まず胃で消化されてから腸で吸収されます。このとき、タバコを吸いすぎていると、胃の働きが低下してカルシウムが消化不良のまま腸に運ばれ、吸収されにくくなってしまいます。すると、血液中のカルシウム濃度が低下し、破骨細胞を活発にしてしまいます。

このため、ヘビースモーカーには骨量が低い人が多く、骨折しやすいとされています。また、喫煙習慣のある女性はやせている人が多く、閉経が早く、エストロゲンの分泌も低いとされていて、閉経後の骨量の現象は急激です。

近年、特に若い世代の女性の喫煙率が上がってきていますが、これは、骨の健康を障害し、腰痛及び骨粗鬆症性のリスクを高めているといっても過言ではありません。

高脂血症や動脈硬化、慢性閉塞性肺疾患といった、生活習慣病の一因とも考えられているタバコは、まさに「百害あって一利なし」です。

タバコに含まれる有害物質は2000種類以上といわれます。自分とまわりの人の健康を考え、一日も早い禁煙が望まれます。

アルコールは適量であれば、食欲の増進や血液循環をよくするなど、体にいいといわれます。しかし、「過ぎたるは及ばざるが如し」の言葉通り、飲み過ぎるとカルシウム不足を招いてしまいます。

腸内にアルコールがあると、カルシウムの吸収が低下してしまいますし、アルコールには利尿作用があるので、飲み過ぎると尿といっしょにカルシウムが体外に排泄されてしまうのです。

また、1日に3杯以上コーヒーを飲む人は、骨が弱いという調査報告もあります。逆に、日本茶を1日3杯以上飲む人は、骨折の危険度が低くなるようです。コーヒーはほどほどにして、なるべく日本茶を飲む習慣をつけるようにしたほうがいいでしょう。